歯科医院の予約の電話はなぜ負担になるのか|減らし方を 3 つの入口で考える
歯科医院の予約の電話が負担になるのは、件数そのものより「目の前の仕事を止めて、その場で空きを探して決める」作業だからです。 減らすには、電話の一部をほかの入口に移すことが近道です。 この記事では、患者さまのスマホからの Web 予約、待合での次回の予約、電話の受け方の見直しという 3 つの入口で考えます。
予約の電話が負担になる 3 つの理由
診療と受付の仕事への割り込み
受付は、来院の受付、会計、次回の予約、問診票の案内を同時に回しています。そこに電話が鳴ると、目の前の患者さまを待たせて受話器を取ることになります。 受付が 1 人の時間帯に歯科助手が電話を取りに行くと、今度はチェアサイドの手が足りなくなります。
1 件ごとの聞き取りの多さ
予約の電話では、次のことを順に聞き取ります。
- 診察券番号か名前・生年月日
- 予約か、変更か、取り消しか
- 痛みや腫れがあるか(急ぎかどうか)
- 希望の曜日・時間帯
- 担当の歯科衛生士や歯科医師の希望
聞き取りながら予約表を開き、ユニットと処置の時間に合う空きを探します。電話を切ったあとに予約帳へ書き写す医院では、その分の時間もかかります。
かかってくる時間帯の偏り
電話は、診療が始まる直後や昼休みの前後、夕方など、患者さまの都合のよい時間に集まりがちです。その時間は、院内も混んでいる時間です。結果として、電話が多い時間と受付が忙しい時間が重なります。
電話の中身の分け方
減らし方を考える前に、1〜2 週間、電話の中身を簡単に記録してみます。正の字で足りる程度で十分です。
| 種類 | 例 | ほかの入口に移せるか |
|---|---|---|
| 新しい予約 | 定期検診を取りたい | Web 予約・待合での次回の予約 |
| 予約の変更 | 来週の予約を別の日にしたい | 患者さまが自分で変更できる仕組み |
| 予約の取り消し | 都合が悪くなった | 患者さまが自分で取り消せる仕組み |
| 予約の確認 | 次はいつだったか | 予約の確認のリンク |
| 急な痛み | 今日みてもらえるか | 電話のまま(人が判断) |
| 問い合わせ | 駐車場・保険・費用 | ホームページの案内 |
記録すると、「人が判断しなければならない電話」と「仕組みで受けられる電話」の割合が見えてきます。急な痛みや腫れの相談は、人が受けるべき電話です。それ以外を減らせれば、本当に大事な電話に時間を使えます。
入口 1:患者さまのスマホからの Web 予約
Web 予約は、診療時間外でも患者さまが自分で空きを選べる入口です。
- ホームページや Google のプロフィールから予約ページを開ける
- 空いている枠だけが表示され、選ぶだけで予約が入る
- 予約のあとに届くリンクから、確認・変更・取り消しができる
ポイントは、Web 予約で入った予約が、受付の予約表と同じところに入ることです。別の画面で管理すると、受付が二重に確かめる手間が残ります。 また、Web で受ける処置は、所要時間がはっきりしたもの(定期検診・クリーニング・初診の相談など)から始めると、運用が安定します。
入口 2:待合での次回の予約と来院の受付
次回の予約を、診療が終わったその場で取ってもらうと、あとからの電話が減ります。会計のときに受付で取る方法のほか、待合のタブレットで患者さまに選んでもらう方法もあります。
待合のタブレットを使うと、次のような流れになります。
- 患者さまが診察券番号を入れる。
- 来院の受付、または次回の予約を選ぶ。
- 空いている日時から選んで予約する。
受付の前に人が並ぶ時間が短くなり、受付は会計や電話の対応に集中できます。困った患者さまのために、スタッフを呼べる仕組みがあると安心です。
なお、待合で名前を呼んだり画面に表示したりするときは、ほかの患者さまに聞こえる・見えることへの配慮も要ります。厚生労働省の Q&A は、他の患者に聞こえるような氏名での呼び出しをやめてほしいと要望があったときは誠実に対応する必要がある、としています(医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンスに関する Q&A(Q3-10))。
入口 3:電話そのものの受け方
電話をなくすことはできません。ご高齢の患者さまや、急な痛みの相談には電話が欠かせません。そこで、電話の受け方を見直します。
- 聞き取りの順番を決める:診察券番号→用件→急ぎかどうか→希望の日時、の順にそろえると、誰が受けても同じ時間で終わります。
- 予約表をすぐ開ける状態にする:患者さまを診察券番号・名前・電話番号で探せると、聞き返しが減ります。
- 折り返しのルールを決める:混む時間は「〇時までに折り返します」と決めて、急ぎでない電話を後に回します。
- 自動で受ける仕組みを検討する:AI が電話で空きを確かめて予約を受ける仕組みも出てきています。人が受ける電話と、仕組みで受ける電話を分ける考え方です。
3 つの入口の組み合わせ
どれか一つで電話がゼロになるわけではありません。組み合わせると、患者さまが自分に合った入口を選べます。
| 患者さま | 向いている入口 |
|---|---|
| 働いていて日中に電話しにくい | Web 予約 |
| 定期検診で通っている | 待合での次回の予約 |
| ご高齢・スマホが苦手 | 電話・受付 |
| 急な痛み | 電話 |
大事なのは、どの入口から入った予約も、ひとつの予約表にまとまることです。入口ごとに予約の置き場が違うと、受付の確認の手間が増え、二重予約の原因にもなります。
院内で決めておくこと
入口を増やしても、院内の決めごとがあいまいだと電話は減りません。次の点を受付・歯科衛生士・院長で話し合っておきます。
| 決めること | 例 |
|---|---|
| Web で受ける処置 | 定期検診・クリーニング・初診の相談 |
| 次回の予約を取るタイミング | 診療が終わって会計を待つ間 |
| 電話を優先して取る人 | 午前は受付 A、午後は受付 B |
| 折り返しの時間 | 昼休みの前と、診療の終わりの 30 分前 |
| 急ぎの電話の判断 | 痛み・腫れ・出血があれば院長に確認 |
決めたことは、受付のカウンターの内側に貼っておくと、新しいスタッフもすぐに同じ動きができます。
1 か月ほどたったら、もう一度電話の中身を記録し、始める前と比べます。移せた電話と、まだ残っている電話が分かれば、次に手をつける入口が見えてきます。
よくある質問
Web 予約を始めたら、電話は鳴らなくなりますか?
鳴らなくなることはありません。Web 予約は入口を増やすもので、電話を好む患者さまも、急ぎの相談もあります。電話の中身を記録し、移せるものから移していくのが現実的です。
診療中の電話は、留守番電話にしてもよいですか?
医院の方針で決めてかまいません。ただし、急な痛みの相談を取りこぼさないよう、折り返しの時間や、急ぎの場合の連絡方法を案内に入れておくと安心です。
予約の変更の電話を減らすには、何から始めればよいですか?
患者さまが自分で予約を確認・変更・取り消しできる仕組みを用意し、予約のときにその方法を伝えることから始めます。次回の予約を院内で取ってもらうことも効果があります。
電話の件数は、どうやって数えればよいですか?
電話の横に用件ごとの欄を作った紙を置き、受けるたびに正の字を書く方法が手軽です。電話機に着信の履歴が残る場合は、時間帯ごとの件数もあわせて見ると、混む時間が分かります。
AIリザーブ 歯科でできること
AIリザーブ 歯科では、受付・Web 予約・待合のタブレットから入った予約が、ユニットごとの予約表にまとまります。患者さまは予約のときのリンクから確認・変更・取り消しができ、待合のタブレットでは診察券番号で来院の受付や次回の予約ができます。困ったときは「スタッフを呼ぶ」で、受付のパソコンの管理画面にお知らせが出ます。医院専用の 050 番号で AI が予約の電話を受ける AI 電話受付は、準備中です。
歯医者のシフト管理と予約を、AI でラクにする。AI シフト作成と、Web・待合のタブレット・AI 電話受付(準備中)の予約受付。
AIリザーブ 歯科を見る